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帰宅難民

この日も人形浄瑠璃文楽を観に大阪に行きました。この日は義経千本桜のすしやの段。義経千本桜は長いお話なので、歌舞伎でも断片的にしか観たことありません。すしやの段を全部観て、ここはこんな涙が出るようなストーリーだったんだと、改めて勉強になりました。文楽劇場はそんなに大きな会場ではないので、もちろんお人形も太夫さん達もとても素晴らしいのだけれど、人間国宝の方のお三味線の演奏も間近で見て聴くことができて、至福の時でした。

さて、5時過ぎに終わって大阪駅に出て、お昼を食べてないけど今日は早く帰った方が良さそうと、大丸の地下のくくるでささっと明石焼きだけ胃袋に流し込んで、自宅方面へ帰る電車のホームへ着いたのが6時頃。強風のため電車が遅れてますって、湖西線沿線住民は聞き慣れたアナウンスがあって、ホームは凄い人。最初に来た米原行きで京都か山科まで乗っても良かったのだけれど、大阪駅始発の湖西線経由近江舞子行きが来たので、少々遅くなっても最寄り駅までずっと座って帰ろうと、それに乗り込みました。その時点で既にダイヤが乱れに乱れていて、その電車の出発時刻は未定。その後3本くらい琵琶湖線経由の新快速が出たので、そっちに乗った方が良いのか少し迷ったのですが・・・

結局大阪出発したのが7時頃かな。帰宅ラッシュの時間で満員の電車で、私は座ってウトウトと。高槻あたりから、信号待ちで止まることが多くなり、しばらくしたら止まったままず~っと動かず、今日中に家に帰れるかと心配になってきました。窓の外を見ると、雪が結構積もってるし。結局、その後10時過ぎに電車が動き出し、次の西大路駅で臨時停車をした後、回送電車になりますって、全員雪の積もったホームに降ろされました!初めて降りたけど、西大路駅前って何もなくて、ホテルもタクシーもなし。仕方がないので、京都駅までテクテクと歩くことに。

京都駅ですぐにコンビニに寄って、食料とお茶を確保。タクシー乗り場は既に長蛇の列だし、バッテリーが切れそうな私の携帯でチェックしたら、山中越えはもちろんのこと、五条通りも通行止めということで、タクシーに乗れても滋賀県側へ抜けられないことが判明。

まあ地震とかではないので、家族の安否を気にする必要もないし、家にペットが待っている訳ではないし、気楽にこのシチュエーションを楽しんで、人間ウォッチングをすることに。早々にどこかから段ボールを見つけて敷いて寝転がってる人がいて、ホームレスの経験があるのかしらと思ってみたり。1時過ぎてやっと京都駅に入ってきた電車から降りて来た人たちは、どうも私がのろかどうしようかちょっと迷った、大阪を先に出た電車に乗っていた人たちみたいで、長時間お気の毒でした。改札口で駅員さん捕まえて延々と文句を言って行く人が数名。駅員さんに言っても仕方ないのになぁと思いながら見ていたら、駅員さんもクレーム処理のプロらしく、そうですねとひたすら同意をし続けていて、文句を言っていた人たちもだんだん穏やかになって、立ち去って行きました。その後1時半過ぎてから、大阪行きの各駅停車を1本走らせてくれてて、びっくり。大阪まで各駅の駅員さん達、そんな夜中に駅を閉めずに待っていてくれるということですもの。そして京都駅の帰宅難民たちには、暖房をガンガン効かせた特急はるかを仮眠用に開放して、パンと水を配って下さいました。私はしっかり水も食料も持ってたけど、有り難かったです。携帯のバッテリーが切れそうだったので、キティちゃんが描かれた特急はるかの写真はありません。😂

結局朝になっても京都駅から大阪方面以外へは電車が出られない状態だったので、地下鉄と京阪を使って帰宅しました。帰ってきたら、家の前の道路はとっても滑りやすそうな感じに仕上がってました。玄関前の階段や、ベランダのつっかけにもこんなに雪が積もってましたが、アメリカにいた時の豪雪に比べたら、全然大したことないレベル。だってブリザードが来てSUVがすっぽり埋もれて見えなくなるほど積もったのを経験してますから。

その後答え合わせをしてみたら、私が大阪でちょっとお腹に食べ物を入れたのも、遅くなっても良いから座ろうと決めたのも、大正解だったんです。5時過ぎに京都駅を出たサンダーバードが山科駅にすら到達できなかったそうなので、ぎゅう詰めの電車に立って乗ってたら、そのまま数時間閉じ込めに合っていたのですよ。結局帰宅難民になるという結末は同じだったのに。