日別アーカイブ: 2013年9月26日

モダーンズ

このところ、ちょっと古いジョン・ローンの映画をほじくり出して観ている私。彼の出てる映画としては、ラスト・エンペラーの次に公開されたのが、モダーンズ。もう25年も経つし、それほど人気があった作品ではないので、今となっては少々プレミアムを払わないと新品のDVDが手に入らないものですが、ネットで見つけたので観ました。


モダーンズ

↑リンク切れになってたら、ごめんなさいね。

確かにねぇ、これは万人受けしないわねぇ。雰囲気のある映像は好きだし、リンダ・フィオレンティーノは若くて可愛くてつかみどころがない女を上手に演じてるし、役者がみんな一癖も二癖もある人ばっかりだし、好きな人は好きなんだろうね。ジョンちゃまは、コンドームで財産を築いたアメリカ人の成金で、お金に任せてパリで絵画を買い漁り、でもリンダ扮する自分の奥さんのことが信用出来ず、冷酷で嫉妬深くてみんなに嫌われてる男っていうのを、上手に演じておられます。素の時でも、真剣になるとかなり目が鋭くて険しい顔つきになるジョンちゃまですが、この映画でもニコニコしても眼の奥が絶対に笑ってなくて、ちょっと睨まれたらこっちの心が凍りつきそうな感じです。途中で、バブルバスに入ってる奥さんの横に座り込んで、脇を剃ってあげてるシーンがあるんですが、あれはエロいですねぇ。でもそこでも嫉妬にメラメラ燃えて、奥さんをつけ回す男のことについてしつこく質問をし、挙句の果てに後ろから抱きついてバスタブの中で一方的な荒いセックスするんですが。あんな嫉妬深い男に、私なら刃物持たせたくないです(笑)。そのシーンで、後ろにぼんやり見えるリビングルームから音楽が聞こえてくるんだけど、それがなんとマダム・バタフライなんだよね~。5年後にまさかそのオペラのテーマが根底にある映画(Mバタフライ)に出ることになるとは、思ってもみなかっただろうねぇ。しかも、同じ「ある晴れた日に」を歌うシーンを演じることになるとは。おかしな因縁もあるもんだと、私は思わずふふふっと笑っちゃいましたけど。芸術の価値は、それを買うのにどれだけお金を払ったかと、批評家が褒めることによって高くなるんだって言うこの成金の言葉、強ち外れてはいないなと思うこともあるんだよね~。

しかし、私はいちばん衝撃を受けたのは、日本語の字幕のもの凄い間違い!そのお風呂のシーンで、ジョンちゃま扮する旦那に、あのハートって絵描きは誰なんだって訊かれて、リンダ扮する奥さんが話をはぐらかして、この週末どこかに行ったらどうかと思ってるんだけどって提案するのが、美味しいデザートがいっぱいある田舎の小さなホテルなのに、それが砂漠のこじんまりしたホテルって・・・ 間違いがあまりに初歩的過ぎます。

実はリンダ扮する奥さんっていうのは、キース・キャラダイン扮する絵描きのハートと過去に結婚していて、正式に離婚してなかったんだけど、終盤で奥さんに捨てられた旦那(ジョンちゃまの方ね)はもう生きていかれないって、泳げないのに川に飛び込んで自殺するのね。んでその川に落ちていく途中と、死んで川から引き上げられて棺桶に入れられる時のジョンちゃま、目をカッと開いてて、滅茶苦茶怖いです。あの顔は夢に出てきたらこっちが魘されるよ(笑)。

途中でジョンちゃまが自宅で絵を3枚買うシーンがあるんだけど、そのバックで幽かに流れてるオペラが何だか思い出せなくて、凄く気持ち悪い・・・ (セヴィリアの理髪師のUna voce poco faでした。)